力士はなぜ太る?どうやって体重を増やしているの?








皆さんは力士にはどんなイメージを持っていますか?
やっぱり、あの大きな体が思い浮かびますよね。

それでは、どうして力士はあんなに大きな体だと思いますか?
今回は力士の体重について考えてみたいと思います。

どうして力士は太っているの?

引用;https://www.asahi.com

2018年12月の体重測定の結果、現役幕内力士の平均体重は過去最高の166.2kgになったそうです

あくまで平均ですよ。
皆さんの身近に体重が170kg近い人っていますか?

私の周りにそんな人はいません….。

幕内最重量力士は逸ノ城で227kg、逆に幕内最軽量力士は夏場所で新入幕を果たした炎鵬で99kgです。

ちなみに炎鵬は身長168cmです。

相撲界では小兵な炎鵬ですが、一般人でこの体格ならかなり太っていることになりますね。
幕下以下に目を向けても、体重200kg以上の力士は何人もいますから、まさに相撲界は大男たちの世界と言えるでしょう。

それでは、どうして力士は太っているのでしょうか?

それは、相撲は体重が大きな武器になるからです。相撲は柔道やボクシングとは違い、階級性の無い格闘技です(アマチュアには体重別もありますが)。

いわば無差別級です。

そのため、相手に押し込まれたり投げられたりしないためには、できるだけ重い体が必要なのです。

ここで大事なのは、力士たちは単なる脂肪太りの超メタボ体型ではないということです。

力士の体脂肪率は平均で約24%だそうで、これは一般成人男性よりも小さい数値です。体脂肪率が10%台の力士も多いです。

つまり、あの体は決してただの肥満体ではなく、外側の脂肪の内側は強靭な筋肉で覆われているんです。

そうでなかったら、あんなに激しくすばやい動きができるわけがありません。

実際に巡業で、丸くて大きい千代丸がダッシュをしている姿を見ましたが、想像以上の速さにビックリしました。

また、脂肪があることでぶつかった時に衝撃が和らぐという効果もあります。

力士たちは見た目はただのデブかもしれませんが(失礼!)、実は脂肪という鎧を見にまとって土俵に上がっているんですね。








どうやって力士は体重を増やしているの?

引用;https://www.nippon.com

それでは、力士はどうやって体重を増やしているのでしょうか。
まず基本は当たり前ですが、とにかくたくさん食べること。

力士の食事は1日2回ですが、1日の摂取カロリーは約8000カロリーで、成人男性の2倍以上です。

しかも、肉や野菜、魚をふんだんに使ったちゃんこ鍋がメインなので、栄養バランスはバッチリです。

相撲界では食べることも稽古のうちと言われるだけに、1日2回の食事以外にも間食や夜食で体重増に励む力士も少なくないようです。

また、力士は食事前に厳しい稽古で汗を流します。

その結果、脂肪が燃焼しにくくなるだけでなく、食べたものを吸収しやすくなる効果があるとされています。

もちろん、稽古を通じて筋肉も増えていきます。
さらに、食事の後に昼寝をするので、効率よくエネルギーを蓄えることができます。

こうした相撲界の伝統的なライフスタイルが、力士の体重増加には実に理にかなっていると言えるでしょう。

こうして、力士は体重を増やして体を大きくしていくわけですが、体型や体質は人それぞれ。

例えば横綱白鵬は、現在の体重は約160kgですが、入門時は68kgの細身の体だったのは有名な話です。

そのため、稽古よりも食べることが優先され、食事ごとに丼山盛り4杯と牛乳1リットルがノルマでした。

食べ過ぎて吐くこともしばしばで、白鵬自身もことあるごとに「本当に辛かった」と振り返っています。

また、大関の貴景勝は小学生時代に空手から相撲に転向しましたが、体づくりのために1日1kgの肉と2リットルの牛乳がノルマ。

その甲斐あって、何と3年で体重を30kg台から90kg台に増やしたそうです。

この手の話は相撲界にはいっぱいあります。
それにしても、何とも涙ぐましい努力ですね!








力士はただ太ればいいってわけじゃない!

引用;https://gunosy.com

ただし、やみくもに体重を増やせばいいというわけではありません。
白鵬、鶴竜の両横綱も平均体重以下ですし、最重量の逸ノ城も伸び悩んでいる感があります。

逆に最軽量の炎鵬をはじめ、石浦や照強といった小兵力士は、小ささを武器にして活躍しています。

確かに体重増はメリットもありますが、デメリットもあります。

動きが鈍くなるだけでなく、下半身に負担がかかってケガのリスクも高まります。。
近年、膝などに大ケガを負う力士が増えているのは、体重が増えたことが原因と見る向きもあるほどです。

この夏場所で途中休場した貴景勝も、体重の増えすぎが膝のケガにつながったという声は少なくありません。

その意味でも、各力士には、自分の持ち味を発揮できる体重をキープして土俵に上がってもらいたいものですね。








まとめ

いかがでしたか?

相撲は自分の体だけを武器とする格闘技です。
そのため、力士は強くなるために太っています。

そうして鍛え上げられた肉体のぶつかり合いに一喜一憂すること。
それが相撲を見る大きな醍醐味なのではないでしょうか。